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羽(∪_∪)羽”
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きびのたび -伊部(6)-
伊部と言えば備前焼。

というのは、これまでの記事で散々書いてきたんだけど、うむ、では貧乏人のお前は伊部に行って備前焼を買ったのか?と聞かれると、



ふふふふふ。買ってきましたよ。
今回は。

備前と言ってもピンからキリまであって、古備前なんかだとこれはもう「これはモノの値段なのか?」と呆れるほどの物もあったりする。
けれど、生活用品としての食器を起源に生まれた備前は、今でも普段使いとして親しめるものも沢山あって、コレがなかなかに良いのです。

訪れたのは「柴岡陶泉堂 香山窯」さん。

店内を色々と見回っていると、
「棚に無いものでも、言って貰えれば出しますよ」
と声をかけて頂く。

おお、待ってました!

やっぱりこっちはシロートですからね。タイミングも計りづらいので、まさに渡りに船。

で、こちらの希望を伝える。





「大きめの湯飲みで青の備前ありますか?」

というと、大きめの、というのは無かったんだけど、湯飲みを蔵から出して頂く。恐縮!

で、選んだのがこちら。

 きびのたび -伊部(6)-_a0004423_22575926.jpg

下半分や、側面の方に注目して貰えると分かるでしょうか?

やや銀色めいて、実際に手に取ると螺鈿のようにキラキラした感じがする。
ざらついた肌触りが備前焼の特徴のひとつなんだけど、これはかなりガラス質でつるつるしている。

その場で伺えば良いところ聞き忘れてしまったんだけど、コレは塩釉によるもの、なのかな?
窯焼きの際、仕上げに塩を投入することで、表面にケイ酸ナトリウムが付着してガラス質の表面になるんだとか。

ぽおっと下から上に向けて玉が浮かんで行くような模様がついているのが、好い好い。
一筋の魂が空に向かって進んでゆくような、そんな感じ。


そしてもう一脚。

 きびのたび -伊部(6)-_a0004423_2258250.jpg

...うむ。

好い。

こちらは表面はざらついた感じで、釉薬を使わない備前ならではの手触り。

にもかかわらず、この青さ。
これが本当に、何もつけずに土を焼いたものなのか!?

なんでも器に直接火をあてず、酸欠の状態で高温にさらすとこういう色になるそうで、
(とは言っても、コントロールが難しく作家さんが思った通りになるとは限らないらしい)

いやいや、これはこの湯飲みを毎日見ている状態でも、やっぱりなんか凄いわ。

色以外はとても素直な造形で、ぽってりとしたおまんじゅうのようなフォルム、それを貫く稲妻のような二本のタスキ。

奇をてらわない。
にもかかわらず一点、色だけは突出した個性を放つ。

うむ。とても、好い。


ちなみにこの湯飲みを購入してから一ヶ月...ともう少し経ったんだけど、「備前は使えば使うほど愛着がわく」というのは、本当に分かる気がする。

自分で選んだ品、という点も愛着がこもる理由のひとつなんだろうけど、使うごとにざらついた手触りがだんだんと滑らかになって、さらさら、という感じになってくる。

備前。

そして、備前の青。

うーむ。なんか、やみつきになりそう。



Written by ぢぇみに

by jemini-web | 2016-10-02 23:44 | ▼ ぢぇみにコレクション | Comments(0)
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